便利な箱「変数」

variable.png

所要時間:10分

今回の内容

  • コンピューターと共有できる便利な箱「変数」
  • 変数に情報を入れるには代入する
  • 「変数」に名前を付けるときの注意点

変数を使ったプログラムで遊んでみよう

今回のテーマ「変数」について考える前に、まずは、こちらのプログラムをコピー&ペーストして体験してみてください。

これは、あなたの元気度を占うプログラムです。

実行ボタンを押すと、下の画像のように入力欄が出てきます。テンションと空腹度の2回聞かれるので、どちらも数字で答えてください。

cls
input "今のテンションを1~10であらわすと?",kibun
input "今の空腹度を1~5であらわすと?",haraheri

genki = kibun - haraheri

print "今のあなたの元気度は"
print genki

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このように画面の前の人に答えてもらえる入力欄を出すには、 input 命令を使います。

プログラムの中身を見てみよう

さて、体験が終わったらプログラムの中身を見てみましょう。実は、この中に変数がたくさん使われています。

四角で囲ってみると、こんなにあります。

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よく見ると、同じ名前のものもあります。

tutorial-7-3

これら「変数」の正体について学習しましょう。

変数はコンピューターが記憶するための「箱」

変数は「箱」をイメージすると考えやすいです。

箱は、多くの場合、その中に何か物を入れるために使います。

コンピューターで使う「箱」=変数も同じです。中に、情報を入れるために使います。

「箱」にきちんと情報を入れておくことで、その情報をいつでも取り出せるようになります。これが、コンピューターにとっての「記憶している」状態です。

🗒️覚えよう

変数は、コンピューターが情報を記憶するための箱のような存在

箱に名前を付けて、やり取りが簡単に

情報を箱にしまっておくのは、後で取り出して使いたいからです。

箱=変数には名前があります。名前を伝えれば、コンピューターは、その名前の箱に入っている情報をさっと見つけられます。

さっきのプログラムで言うと「今のテンション」を示す数字は、あとで計算に使います。これは、覚えておいてほしい情報なので変数の中にしまっておきましょう。

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今回は名前を「kibun」とします。そしてその中に、教えてくれた「1~10の情報」をしまいました。

そうすると、こんな風に簡単にお願いができます。

🙂 kibun を計算に使いたいんだけど

⌨️ kibun、この箱デスネ。

どんな名前を付けても、どんなにたくさんの変数を作っても、コンピューターはしっかりと覚えていてくれます。

🗒️覚えよう

変数に分かりやすい名前をつけることで、コンピューターとの意思疎通が簡単になる

箱には「代入」をして情報を入れる

変数に情報を入れることを「代入」と言います。

tutorial-7-5

🗒️覚えよう

変数に値を入れることを「代入」という
代入には「=(イコール)」を使う

※ input 命令は、イコールを使わず代入ができる特殊例です

さっきのプログラムで「=」を使っている場所はここです。

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代入は、右辺を左辺に入れる形で行われます。

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kibun と haraheri には、それぞれ質問の答えが入っています。kibun から haraheri を引いた数値が genki の中に入ります。

たとえば、「今のテンション(kibun)」を5、「空腹度(haraheri)」を3と答えた場合

5-3

の計算結果が genki の箱の中に代入されています。

つまり、この条件なら genki の中には 2 が入っていることになります。

🗒️覚えよう

代入するときは、左辺に右辺(の結果や内容)が入る

名前は自由だが、注意点も

変数には、半角英数・記号を使って自由に名前が付けられます。

だから、「kibun」「haraheri」「genki」のような、自分にとって分かりやすい名前でプログラムを書くことも可能です。

ただし、注意する点もあります。

「予約語」とされている単語をそのまま変数の名前にすることはできません。

予約語は、Jasmine Teaの命令や関数に使われている単語がほとんどです。

予約語一覧

使おうとするとこのように赤字でエラーが表示されます。

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circle という単語は、円を描く命令に使われている言葉で、予約語です。

ただし、circle を単体で使わなければ変数の名前として使うことができます。

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🗒️覚えよう

名前を付けるときには使えない単語がある
使えない単語は「予約語一覧」で見られる

変数を使った計算をしてみよう

変数を使って、買い物の合計金額を計算するプログラムを実際に書いてみましょう。

まずは、先ほど体験したプログラムをすべて消してください。

<買うもの>

リンゴを3個

<変数にするもの>

リンゴの値段(1個200円)

<変数の作り方>

その変数につけたい名前を書き、イコールでつないだ右辺に変数に代入したい値や文字列を書く

例:「mikan」という名前の変数に100という値を代入したいとき

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<プログラムを書く手順>

1行目に 「cls」という命令を書いてください。

2行目に「ringo」という変数を作り、リンゴの値段(200)を代入してください。

3行目に「goukei」という変数を作り、リンゴを3個買ったときの合計金額が代入されるように式を書いてください。

4行目に print 命令を使って、実行画面に変数「goukei」の値が表示されるようにしてください。

ヒント

かけ算に使う記号が分からなかったら 算術演算子のチュートリアルを見てみましょう。

<プログラムが正しかった場合の実行結果>

tutorial-7-11

<手順通りに書いたプログラム>

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コンピューターと共有したい値や文字列がある場合には、「変数」を使うと覚えましょう。

変数についてもっと詳しく知りたい場合は、プログラマーズガイドの変数を読んでみてください。

今回のおさらい

  • 変数に分かりやすい名前をつけることで、コンピューターとの意思疎通が簡単になる
  • 変数に値を入れることを「代入」という
  • 代入には「=(イコール)」を使う
  • 代入するときは、左辺に右辺(の結果や内容)が入る
  • 変数に名前を付けるときには使えない単語がある
  • 変数の名前に使えない単語は「予約語一覧」で見られる